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そして、文化祭本編は終了し、後夜祭が始まった。
すじ雲がしましま模様を描く夕方の空の下。
中庭では、組み合わさった薪の中、ごうごうと背の高い炎が上がっている。
まだ食材が売れ残っているクラスは、引き続き模擬店で割引をしながら営業中。
模擬店や特設ステージにはたくさんの提灯が繋がれ、
ファイアーストームの光とともにあたりをオレンジ色に照らしていた。
1年2組『ぼーや良い子だ金出しな』はかなりの金額を売り上げたらしく、
表彰まで受け、後夜祭もそこそこに駅裏のカラオケ店で打ち上げをすることに。
集合したクラスメイトから、「あれー? 阿部ちゃんは?」という声が発される。
「トシミ、阿部くんいる場所知ってるべ? 先行ってるし連れてきてね~!」
ユカチンが大声でそう言ったため、わたしはクラスの輪から追い出された。
「どこにいるか知らないんだけど!」
と慌てるわたしに対し、
「しゃ、行って来い!」
と腕組みをしながら選手を試合に送り出す監督風に言うクニオと、
「別に打ち上げ来なくていーし」
と珍しくニッコリとしているユカチン。
確かにライブ後まだ阿部くんと話せていないこともあったため、
「あざーす」と2人にこっそりと伝え、わたしは軽音楽部の軍団を探しに行った。

