僕の幸せは、星をめぐるように。



☆ ★ ☆


そして、文化祭本編は終了し、後夜祭が始まった。


すじ雲がしましま模様を描く夕方の空の下。

中庭では、組み合わさった薪の中、ごうごうと背の高い炎が上がっている。


まだ食材が売れ残っているクラスは、引き続き模擬店で割引をしながら営業中。


模擬店や特設ステージにはたくさんの提灯が繋がれ、

ファイアーストームの光とともにあたりをオレンジ色に照らしていた。


1年2組『ぼーや良い子だ金出しな』はかなりの金額を売り上げたらしく、

表彰まで受け、後夜祭もそこそこに駅裏のカラオケ店で打ち上げをすることに。


集合したクラスメイトから、「あれー? 阿部ちゃんは?」という声が発される。


「トシミ、阿部くんいる場所知ってるべ? 先行ってるし連れてきてね~!」


ユカチンが大声でそう言ったため、わたしはクラスの輪から追い出された。


「どこにいるか知らないんだけど!」

と慌てるわたしに対し、


「しゃ、行って来い!」

と腕組みをしながら選手を試合に送り出す監督風に言うクニオと、


「別に打ち上げ来なくていーし」

と珍しくニッコリとしているユカチン。


確かにライブ後まだ阿部くんと話せていないこともあったため、

「あざーす」と2人にこっそりと伝え、わたしは軽音楽部の軍団を探しに行った。