僕の幸せは、星をめぐるように。


うぬぼれかもしれないけど、直感でそう思ったわたしは、ここだよと叫びたい気持ちを抑えて、願うようにその姿を見つめ続けた。


すると――。


「……っ!」


たくさんの人たちの姿を越えて、わたしたちの目はばっちりと合わさった。


その瞬間、まわりに広がるたくさんの揺れる頭たちが星のように見えた。


わたしと阿部くんは、そのまるで天の川のようなキラキラ光る星たちの帯で繋がれていた。


天の川――織姫と彦星の間を遮っている川と言われたり、女神の乳が流れ出したものとも言われている。


その正体は、無数の星の集合体、銀河。


その中にわたしと阿部くんは確かに存在している。


たくさんの人がここにはいるはずなのに、

星たちの中で、わたしたちは2人きりだった。


はっと、目の前の世界がライブの景色に戻る。


でも、ステージ上でわたしに向かって優しく微笑む彼の姿を見て、

もっと彼の近くにいたい、彼に寄り添って生きていきたいとわたしは強く思った。


どこかで汽笛がぼおっと鳴っていたような気がした。