ワン、ツー、スリー、フォー!
パンク頭くんのカウントで演奏が始まると、前の方から順番にみんなの手が上がっていった。
アジカン、ラッドウィンプスと、人気バンドの曲が奏でられる。
おお、イケメン先輩、歌めちゃくちゃ上手いし、声もかすれててセクシーだ!
「すんごいね! 格好良いね!」
「選曲もいいね~。まじツボ」
まわりの声援に合わせて、わたしたちも手を叩きながらステージを見ていた。
わたしは阿部くんばっかり見ていたけど。
「俺もあんな感じでキャーキャー言われてぇ~。っていってぇ!」
そうつぶやいたクニオは、ユカチンに思いっきり足を踏まれたようだ。
後半は銀杏ボーイズというバンドの曲のコピー。
イケメン先輩はステージ前ギリギリのところで、みんなを指差しながら叫び、歌う。
激しい曲になると、女子に負けじと男子たちが飛び跳ねて暴れ出していた。

