毎年かなりの盛り上がりを見せるらしい軽音楽部のステージ。
阿部くんはもう準備に向かっている。
ユカチンとクニオと一緒に、
お化け屋敷(壁から手が出てきたとこで、絶対おっぱい触られた……)や
フラッシュモブ喫茶(いつのまにか店員がみんな踊りだしててびっくりした!)などを楽しんだ後、第一体育館へ向かった。
既に体育館にはガヤガヤした声が響き渡っていて、
何十人もの女子生徒がステージ前を陣取っていた。
もちろん男子生徒や外部のお客さんも結構入っている。
わたしたちは、ぎゅうぎゅうに人が詰まっているところから、少し下がったところで見ることにした。
『それでは、軽音楽部のステージ発表を始めます』
文化祭実行委員のアナウンスとともにステージの幕が上がる。
まずは、オープニングアクト。
3年生の担任をしている顧問の先生が、ドカンドカンと1人でドラムを叩き始めた。
うわ、迫力あるなぁ。
そして、その演奏が終わると、1人の男子がステージ上に現れた。
「ユーたちもっと前来ちゃいなよ!」
マイクを片手にお客さんをあおる、あの部室で会った茶髪のイケメン先輩だ。
キャー先輩格好良いー!
ギャハハカッコつけすぎー!
という声たちで体育館が埋まっていく。
やっぱりあのイケメンさんは人気者なんだ。すごい盛り上がり。
そして、パンク頭くんがドラムセットに座り、2年生のアシメ前髪の男子がギターを、阿部くんがベースを構えた。
気がつくとわたしたちの後ろにもたくさんの生徒たちがいた。

