☆ ★ ☆ 「阿部くんって、けんじ……宮沢賢治が好きなの?」 次の日である月曜日。 わたしは、教室の窓側、一番前の席に座っている阿部くんに話しかけてみた。 ちなみに、日本中、いや世界中にもコアなファンを持つ、その作家さんの名前を、 わたしたちはさぞ友達の1人かのように呼んでいる。 年配の方々は親しみを込めて「さん」や「先生」付けしていることが多いけど。 まあ、地元が一緒なので、いわゆるジモティーな関係ってことで。