好きと嫌いは紙一重かもしれない。

いっそのこと前にキミが可愛い子をフッた時みたいに潔くフってくれたなら良かったのに。









「欲しいものならあるよ」







そんな言葉、聞くんじゃなかった。





少しだけ、



少しだけ期待している自分がいた。





嗚呼、この人も何かを求めているのだと期待してしまった。




こんな気持ちいらない。













「キミの事ならなんだって知ってるよ」



私と如月くんの他には誰もいない廊下。





私は、もはや言葉を失って哀しみに歪む彼の綺麗な顔を見つめることしか出来なかった。





「キミの事ならなんだって…ニンジンが嫌いなことや、人込みが苦手なこと、プリンが好きなこと……


















僕が嫌いなこと」




如月くんが笑った。




だけど私には泣いてるように見えた。



だって彼の目からは涙が止まることなく零れ落ちていたから。











だから私は言った。



「そーだよ、如月くん大嫌い」















“詐欺師の種明かし”

(片思いだったのはキミの方)