壁を壊して


じっと光一を見つめる。

教えてほしい。

そしたら、私もちゃんと伝えるから。

まだ足りないの。

証が欲しいの。

幼馴染の壁を乗り越えれた証。

だから、お願い、光一。

「…怖かった。」

「え?」

「お前は知らないだろうけど、俺はずっとお前との関係が変わるのが怖かった。」

「何言って…。」

「俺は、ずっと好きだったから。だから、思わずキスした時、怖かったんだ。」

「…。」

「けど、もうやめた。」

「え?」

スー。

少しだけ息を吸って、私をまっすぐ射抜く光一の目。

胸がドキドキして、心臓壊れそう。

「好きだ。美穂。」

‼︎

あぁ、これだ。

この証が欲しかった。