壁を壊して

「好きな女って…?」

「いや、お前しかいねーんじゃねーの?」

「そんなわけっ!だって、あんた彼女は⁉︎」

「んなもん、居たことねーけど。」

「へ?」

「だーかーらー!俺は、そりゃー女と遊ぶ時はあるけど、付き合ったりはしてない!」

「なんで?」

「お前がずっと好きだったから。」

頬を少し赤くして、そうボソッと言い放った言葉。

それは、この上なく嬉しい言葉だけど、どーしても疑ってしまう。

「さっき、ソーダー飲ませてあげただけって言ったくせに…。」

「あれはっ‼︎」

「あれは…?」

ねぇ、教えてよ光一。

私は素直じゃないから、自分からじゃ伝えられないの。

ねぇ、お願い。