「あっ!美穂!!」
飛びたした瞬間、光一が呼び止めたけど、そんなの気にしない。
だって、ずっと好きだった人の恋愛対象に入ってないって実感した日なんだもん。
こんなの、泣きたくもなるよ。
近くの公園の遊具の下に潜る。
よく、小さい頃ここで泣いてたっけ。
やっぱり泣けるところってそうそう変えられないんだよね。
「はぁ…光一の馬鹿…。」
「誰が馬鹿だって?」
「へ?」
驚いて上を見上げると、そこに居たのは光一だった。
「なっ、なんで…。」
はぁ…と肩で息をしている光一。
走って来たみたいに、顔が苦しそう。
「なんでって…。まぁ、お前が泣くとこなんてここって決まってるし。」
「そーじゃなくて!なんで追いかけて来るのよ…。」
ほっといて欲しい。
あんたなんかさっさと彼女のところへ行けば…「…好きな女が泣いてたら追いかけたくなるだろ。」
え?

