壁を壊して


光一は黙っている。

もしかしたら光一も…。

なんて淡い期待を寄せ、光一の返事を待つ。

じっと光一を見つめていると、目があった。

「…ソーダー飲ませてやろうと思って。」

「はっ⁉︎」

「美穂、ソーダー欲しかったんだろ?だからソーダを飲ませてやろうと…。」

「それだけ?」

「そーだけど?」

なんともないと言う顔で私をみる光一。

それもそーか。

こいつ、彼女いるんだっけ?

私なんて、恋愛対象にも入って…ないんだ…。

自分で言ってて虚しくなって、涙が目にたまる。

私のファーストキスだったのに…。

そんな思いが溢れて、私は部屋を飛びだした。