また2階に上がって、部屋のドアを開ける。
クーラーの冷気が体に当たって、心地いい。
「はい、ソーダー。」
「おぉ、サンキュ。」
私が差し出したソーダーを受け取って、蓋を開ける光一。
プシュッと音がするのが炭酸のいいところで、私はこの瞬間が大好きだ。
「んー、うめぇ!!」
「そ、よかった。」
美味しそうに飲む光一が羨ましくて、少しだけ声のトーンが下がる。
「どーした?テンション低いな。」
「別に。」
こんな些細なことを気づくのだから、幼馴染って怖い。
まさか、ソーダーが羨ましいなんて、言えるわけないし。
光一がそんなこと聞いたら、見せつけながら飲むに決まってる。
「あぁ、お前のソーダーなかったのか。」
⁉︎
感が鋭いのも恐ろしい。
やっぱり幼馴染は、怖すぎる。
「ほれ、やるよ。」
そう言って、ソーダーのペットボトルを差し出す光一。
「え⁉︎いいの??」
光一がそんなこと言うのが珍しくて、ちょっと遠慮する。
「欲しそうな顔してるし。」
「うっ…。じゃあ…。」
結局、欲に負けて美味しそうなソーダーに手を伸ばす。
あっ、けど、少し飲まれてるから炭酸が…。
ん?“飲まれてる”??
「…やっぱり返す!」
「え?なんでだよ??」
「いいからっ‼︎」
無理やり光一の胸に押し付けて、距離を取る。
危なかったっ‼︎
あれじゃあ…
「あぁ、間接キスだと思ったのか。」
私の心を読み取ったかのように、納得した声を出す光一。
「ちっ、違うもん!」
「ふぅーん…美穂もそーゆーこと気にする年頃になったんだー。」
「いや、もう高校生だし!ってだから、違うってば!!」
ニヤニヤと嘲笑う光一にムカついて、赤くなった顔を背ける。
あぁ〜っ‼︎
なんで私って、こんなにテンパりやすいのよ!
「美穂、こっち向いて。」
「へ?」