過去へタイムスリップをして1週間後。

私は廊下で死んでいました。

理由はここ数日の新選組仮入隊の為です。

毎日毎日仮入隊のたびに、それぞれの隊で朝から夕刻まで働かされています。

そのせいで疲労困憊になり、廊下で死んでいるのです。

「天宮、廊下で寝られると通行の邪魔でさァ」

その声は藤堂さん。

私に声を掛けるのは良いですが、ゲシゲシと蹴らないで頂きたい。

それを口に出して言いたいのですが、やはり疲れて声が出ません。

「……なんでい。張り合いねェな。ホレ、元気出すでさァ」

いささか荒っぽいですが、藤堂さんが私を起こしてくれました。

「ん」

「あっ、ありがとうございます」

藤堂さんがお茶を差し出してくれました。でも、藤堂さんの手にはもうお茶はありません。

「あの、このお茶は?」

「俺が飲もうと思って淹れたが、特別にあげまさァ」

「だったら藤堂さんが飲んでください。私は大丈夫ですから」

「つべこべ言わずに飲め。おめぇが飲まねェなら捨てますぜ」

「……ありがとうございます」

ありがたくお茶を頂きます。

……藤堂さんはお茶を淹れるのが苦手なのでしょうか?

お茶がすごく濃いのです。