そして、朝食の時間。

「ぷっ」

「くくく……」

皆さんが湧きあがる笑いを堪えながら、平助君の顔を見ています。

現在平助君の顔は眉毛が太いカモメ状態になっており、猫のひげやら何やらが黒い墨で描かれているのです。

美青年の面影はゼロ。

しかも平助君が自分の顔の状態に気付いていないのが、さらに笑いを誘います。

「……一体どうしたんでさァ、なァ、蒼蝶」

「ぶふっ!」

平助君、急に私の方を向かないで!

笑いを堪える準備が出来ませんから!

「蒼蝶まで……。一体何なんでさァ」

私の反応を見て、平助君が眉を寄せました。

どうやら何かを感じたようです。

でも自分の顔の状態に気付かず、ご飯をモソモソと食べ始めてしまいました。

「平助、ニブイ君に良い物を貸してあげるよ」

組長が懐から手鏡を取り出し投げると、平助君がそれをキャッチしました。

キャッチする姿はカッコいいのに、顔が残念過ぎますね。

「それで自分の顔を見てみなよ」

「顔?」

平助君が鏡に自分の顔を映した瞬間、目が大きく見開かれました。