テレビの砂嵐のような灰色の映像が、視界に映る。
『どうして、どうしてですか……』
男性の声が聞こえた途端、砂嵐が少し治まり、馬と誰かの手元が見えました。
声の主の男性は馬に乗っているのか、周りの景色がすごい速さで前から後ろへと流れて行く。
不思議なことに、私にも馬に乗っている感覚をリアルに感じることできました。
どうやら私は、この男性の視界と感触を共有しているようです。
いや、視界や感触だけじゃない。
男性の気持ちも共有していました。
今、男性から感じるのは戸惑いと不安。
この人は、どうしてこんなに心が不安定なんだろう。
しばらくして、男性は一つの宿屋に辿り着きました。
『いくら追われていても、野宿とかしないんだ』
口元をほころばせながら男性は言うと、建物に入り宿屋の亭主に色々と説明した後、中に通されました。
そして一室に辿りつくと、襖の戸が開かれた。
そこにいたのは
『総司、やっぱり君が来てくれましたね』
微笑む山南さんがいました。
それにしても山南さんは、この男性を総司と呼んだ。
まさかこれって……。
『君がここに来た理由は分かっています。新選組を脱走した私を捕えに来たんですよね』
『どうして、どうしてですか……』
男性の声が聞こえた途端、砂嵐が少し治まり、馬と誰かの手元が見えました。
声の主の男性は馬に乗っているのか、周りの景色がすごい速さで前から後ろへと流れて行く。
不思議なことに、私にも馬に乗っている感覚をリアルに感じることできました。
どうやら私は、この男性の視界と感触を共有しているようです。
いや、視界や感触だけじゃない。
男性の気持ちも共有していました。
今、男性から感じるのは戸惑いと不安。
この人は、どうしてこんなに心が不安定なんだろう。
しばらくして、男性は一つの宿屋に辿り着きました。
『いくら追われていても、野宿とかしないんだ』
口元をほころばせながら男性は言うと、建物に入り宿屋の亭主に色々と説明した後、中に通されました。
そして一室に辿りつくと、襖の戸が開かれた。
そこにいたのは
『総司、やっぱり君が来てくれましたね』
微笑む山南さんがいました。
それにしても山南さんは、この男性を総司と呼んだ。
まさかこれって……。
『君がここに来た理由は分かっています。新選組を脱走した私を捕えに来たんですよね』