私の師匠は沖田総司です【上】

気が付くと私は一人、暗い空間に立っていました。

音も光もない空間。どこまでも広がっていく闇。

「ああ、またか」

私はすぐにここが悪夢の中だと分かりました。

もうこの夢を見るのは何度目だろう。

また、大切な人たちが殺される所を見ないといけないのか。

ズキズキと痛む胸を手で押さえ、今から行われるであろう惨劇に備えました。

「……た」

どこからか男の声がした。遠いような近いような曖昧な距離から聞こえました。

いよいよ始まるのか。

惨劇の前には必ず私が殺した男の声が聞こえます。

そして、前を見ればほら、血に塗れた体の男が立っています。

いつもなら、男を捕らえた瞬間に本当の悪夢が始まる。

でも、今日は違った。

口から血を溢れだしながら仕切に何かを訴えてきました。

「イタイ、イタイ……。クルシイ……」

痛い、苦しい。

男はずっとそればかり言っていました。