軽いリップ音。 それとともに目に映るのは、あの部長の顔。 少し頬がピンク色に染まっていて、いつもの部長とは思えないほど、可愛いその顔に、私は不覚にも胸が高鳴っている。 「ぶ、部長…。」 訳が分からなくて、か細い声で、部長と呼びかける。 「…忘れろ。」 「は?」 「だから、今のは忘れろ。部長命令だ。」 「なっ⁉︎」 「分かったら、とっとと仕事に戻れ。」 「なっ、なんですかそれ⁉︎」