「伸也さん、次どこ行く?」

「…どこでもいいよ。」

「…わかった。」


何よ!何よ、何よ‼︎

少しくらい楽しそうにしてくれてもいいじゃない!!


何あれ、あの顔!

楽しくないならないって、言ってくれればいいのに…。


「やっぱり、新婚旅行なんて来たくなかった?」

「え?」


ボソってつぶやく。

そうだよね。

仕事忙しいもんね。

無理して連れて来ちゃったんだもんね。


「ごめんなさい。今のは忘れて…。」

「あっ、おいっ‼︎」


泣きそうなのが嫌で、私は駆け出した。

伸也さんが呼び止めてくれたけど、今はこんな泣き顔なんて見せたくない。


(ごめんね。伸也さん…。)