「.....着いた」


思えば久しぶりに来た丘は、
以前と変わらず綺麗な夜景が見渡せる。


私は一つだけあるベンチに座ると、
ぼんやりと景色を眺めた。


やっぱりここに来ると、
気持ちが落ち着く。


さっきまで、ドキドキとしていた胸が
穏やかに変化する。



私がゆっくりと目を閉じるのと同時に
突然背後から「何してんの?」
という声が聞こえてきた。



驚き勢いよく振り返ると、
そこには不思議そうな顔で私を見つめる
由良がいた。