好きになっちゃダメなのに。


なんなの。

なんなの!


さっきから、いつにもまして速水くんが失礼な気がする!


心の中の不機嫌はもう抑えることができずに思わず頬をふくらませ、ふんっと顔を背けた。

それがすごく子どもじみた仕草だって気付いても、もう遅い。

案の定、それは速水くんへの威嚇になるどころか、もう一度笑われてしまっただけだった。


「だから、分かった気になってたんだって。今はそんなふうに思ってないってこと。さてはあんた、現国の点数も悪いだろ?」

「現国はまだマシだもん!」


……マシ、って。

入学以来学年1位の絶対王者に立ち向かうには攻撃力はゼロに等しいよ私。


あー、もう、ほら。

また笑われちゃってる!

速水くんも速水くんだ。

いったい今日はどうしちゃったの?

いつもならポーカーフェイスで「何言ってんの、あんた」で片づけるじゃん。

それなのに、今日はどうしてそんなに笑うの?

私、全然ついていけないよ。