好きになっちゃダメなのに。


しばらくの間、気持ちのいい風に当たり、空を眺めていた私だけど、そう言えば、と思い至って速水くんのほうに視線を滑らせた。


「速水くん、どうして屋上に来たの?図書館から上がれるなんて、私知らなかったよ」


それにきっと私だけじゃなくて、普通の生徒は知らないことだ。


なんとなく、速水くんがここへ来る方法を知っていたのは、生徒会関係なのかな、と思った。



隠されたように佇む、図書室から屋上へと続く扉。

あんまり知られない方がいいこと、なんじゃないのかな。

理由もなく、そう思う。



どうして私をここに連れて来たんだろう。


「……あんた、昼休みに陽のところに行ったんだって?」


「え」


私をまっすぐにとらえた視線。

だけど速水くんにしては珍しく、言葉の前にかすかな躊躇いが含まれていたような気がした。


想像はしていたけど、呼び出された理由、やっぱり昼休みのことだったんだ。


でも、怒られるような雰囲気ではない。

ていうか。
それと屋上につれて来られたことに、いったいどんな関係があるんだろう。


「陽の中では、あんたが俺に片想いしてることになってたけど、一体どんな説明したわけ?」


「……え?」