好きになっちゃダメなのに。


再び前を歩く速水くんの後ろをついていくことになった私だけど、今度はすぐに隣に並ぶことが出来た。


……すぐに、もうひとつのドアがあらわれて。

その先にあったのは、今度は狭い階段なんかじゃなくて。


どこまでも広い、青空だった。



キィ、と背後で掠れた音を立ててドアが閉まる。



「ここ、屋上!?」


視界が開けてすぐ、私は考えるより先にそう声を上げていた。


私の学校は勝手に屋上へは出られないことになっていて、そもそも屋上に出る方法さえ知らなかったから、この場所に来るのは初めてだ。


4階建ての校舎の一番上。

そこは想像していた以上にずっと、空に近かった。

ざあっ、と流れてきた風が私たちの身体に冷たさを押し付けていく。


風のせいでふわりと揺れた髪を片方の掌で押さえて、私は大きく息を吸った。


屋根と壁で守られた校舎内では感じられない解放感に、そうせずにはいられなかったんだ。