好きになっちゃダメなのに。


サラ、とまっすぐに背中にながれる黒髪。

長い手足。

小さな顔。

可愛らしいというよりは凛々しい、形のいい綺麗な瞳。

すっと通った鼻筋。

思わず私まで背筋を伸ばしてしまうほど、きれいな姿勢。


私と速水くんが座った席の、斜めに置かれたテーブルに座ろうとしていたその人を見る速水くんの表情は、今まで見たことがないくらい、驚きに満ちていた。

……告白を私に聞かれていたと知った時も驚いていたように見えたけど。

そんなの、比べ物にならないくらいだ。


彼女のことをちゃんとまっすぐに顔を見たのは初めてだったけど、紹介される必要なんかない。

志賀先輩、だ。


……あー、でも、そっか。

こんなに綺麗な人。

魅了されないわけ、ない。

女の子に興味なさそうな速水くんだって、きっとこの人の圧倒的な美しさには心を奪われるしかなかったんだ。


私だって。

同じ女の私だって、こんなに目が離せないんだもん……。