好きになっちゃダメなのに。


カフェの中は結構な混雑だったけれど、なんとか空いている席を見つけて腰を下ろす。


この前、学校の近くのファーストフード店で速水くんと向かい合わせに座った時も、まさか速水くんとふたりで来ることになるなんて、って思ったけど。


今日はますますそう思ってしまうよ……。


だってここ、学校の女子の間でも話題の最近できた人気のカフェ。


ふわふわのパンケーキが有名で、今度行きたいね、って部活の皆とも、羽依ちゃんとも話していた。

なのに、まさかその中の誰でもなく、一番敬遠していた人であったはずの速水くんと来ているなんて。


「あ、コレ美味い」

自分が頼んだカフェラテを口にした速水くんがそう言ったのを見て、本当に信じられない思いだった。


「あのさ、」

自分の手元を見ていた速水くんが、ふいに視線をあげて。

そして何かを言いかけたまま、私を通り越したどこかを見たまま、絶句したような表情になる。


「……速水くん?」

いきなりどうしたんだろう、と不思議に思って彼の視線を辿ってみた私は、背後に向いていたその視線の先を、理解して。


「っ!」


思わず言葉を失ってしまった。