ふわ、と香る速水くんの優しい香り。
気付いたら、力強い腕に引き寄せられて、抱きしめられていた。
「そんな遠慮がちに触らなくてもいいよ。晴山さんなら怒らないから」
耳元で言われた言葉に、思わず顔が熱くなる。
「……本当に、陽のことはそういうふうには見てないし、もうそんなふうには見れない。
ていうか、そういう意味では俺、須谷とあんたのほうが心配なんだけど」
「え!?」
須谷くん!?
「えっ、なんで!須谷くんは私のことそんなふうに見てないでしょ!?ありえないよ」
色々ちょっかいをかけてきたのは、むしろ私じゃなくて速水くんに対する敵対心?からであって!
「……まぁ、そういうことにしといてあげるよ」
そう言って速水くんは私を抱きしめる腕の力を緩めると、視線を合わせてふわりと笑う。
そして。
「あ、そうだ」
とふいに思い出したように言い私から手を離すと、自分の鞄を引き寄せ、中を漁り出した。
「?」
どうしたんだろう、と思って見ていると、速水くんはやがて目的のものを探し当てたらしく、動きを止めた。
そして。

