好きになっちゃダメなのに。


私!?

え、それって、つまり。


「速水くんが欲しがるものが、志賀先輩じゃなくて……、私に変わってたから……」

自分で言ってから、急に恥ずかしさがこみあげてきた。

速水くんに欲しがられて、なんて、どんだけ思いあがってるの!


だけど速水くんはそれを否定することもなく頷いて、言葉を続ける。


「あのときは俺もまだ無自覚だったけど……、須谷から見たらもうそんなふうに見えたんだろうな。だからあんたに、選挙に勝ったら付き合って欲しい、なんて言ったんだろ」


はぁ、と溜息をついて、空を見上げる。


「あのときは、陽が須谷の隣にいることに愕然とした。あいつがまだ俺にそんな執着してるなんて思ってなかったから。……だけど、陽があいつの隣にいること自体には、そこまで落ち込まなかったよ」

「……え?」


そうなの!?

なんかすごい勢いでその場からいなくなったから、ものすごくショックを受けてるんだと思ったんだけど!


「今思えば、それよりあんたが次の標的になることを本能的に悟って、早くあの場所から逃げたかっただけだ。……それでなくても、あいつ初めからあんたのこと気に入ってたみたいだし」


そういえば須谷くん、私の名前知っていてくれたもんね。

うーん、、でももしかしたら、私を知っていたわけじゃなくて、推薦人の名前だけを知っていただけかもしれないけど。