好きになっちゃダメなのに。




それからは和やかで賑やかな雰囲気のまま時間が過ぎていく。

そして日が沈み、あたりが本格的に暗くなり始めた頃、お開きとなった。

テーブルの上に並んでいた食べ物も、ほとんど空になっている。


片づけを追えると、それぞれ帰路に着いた。

私も、「また明日ね」と声をかけてくれた志賀先輩に「はい」と頷いて、校舎を出る。


顔を上げると、チカチカと光る星がとてもきれいな冬の空が見えた。

吹きつけてくる風も、もうすっかり冷たい。


……校舎を出たら、なんだかさっきまでの出来事が夢だったんじゃないかと思えてきた。

私が、生徒会に入るなんて。

それでも、胸元に光る速水くんからもらった記章が、夢じゃないと伝えてくる。


「晴山さん」

ふいに後ろから名前を呼ばれ振り返ると、そこにいたのは速水くんだった。

立ち止まった私の隣に並んで、そして一緒に歩きだす。


もともとは学校前のバス停からバスに乗って駅まで行っていたけど、選挙準備で速水くんと帰る時間がかぶるようになってからは、速水くんにあわせて私も駅まで歩くようになっていた。


「明日、あんたも一言挨拶するんだから、ちゃんと言うこと考えといて」

「あっ、そっか。わかった」


速水くんに言われ、私は頷く。

明日の生徒会引き継ぎの集会は、私にとってはもう関係のない行事だったはずなのに、一気に他人事じゃいられない身分になってしまった。