好きになっちゃダメなのに。


***


結局、昼休み中に速水くんに会うことはできなかった。

私は私でいっぱいいっぱいになってしまって、しばらく掲示板の前から動くことができなくて。


羽依ちゃんに促されて、なんとか教室に戻って自分の席についても、胸がいっぱいでなにもできず。

速水くんに連絡するんじゃなかったの、と羽依ちゃんに言われてスマホを手にとってみるけど、そこから行動に移せなくて。

見るに見かねた羽依ちゃんが、とりあえずご飯は食べなさい、と私の手にサンドウィッチをにぎらせてくれたから、何とかそれをお腹に入れて、気付いたら昼休み終了のチャイムが鳴っていた。



……そして、放課後。


やっぱりというかなんというか、午後の授業も上の空だった私。

きっと先生たちも気付いていたとは思うけど、今日だけはどうやら大目に見てくれたらしく、注意されることも怒られることもなかった。


そして、放課後に至った今。

胸がいっぱいで何も手につかない状況からなんとか回復することができた私は、速水くんに会おうとしているところ。


……だけど。

どこにいるの、メールを送ってみたけれど、返信がこない。

速水くんの教室を覗いたら、もう帰った後だと言われた。

生徒会室にも速水くんの姿はなくて。

もしかして、と思って音楽準備室にも行ってみたけど、誰もいなかった。