好きになっちゃダメなのに。



「それに、スピーチの中身!何あれ、普段の速水くんからは想像できない内容だったんだけど」

「あはは、だよね」


羽依ちゃんの言葉に頷くと、「ホントだよ!」と笑ってくれた。


「今までは、速水くんってどこか遠い人みたいに思ってたけど、……なんか、応援したくなっちゃったよ」


にっこり笑ってそう言ってくれた羽依ちゃんの言葉がすごく嬉しくて、私もつられて笑みがこぼれる。


「羽依ちゃんのおかげであの原稿が書けたんだよ。どうして中間で負けたのか、ヒントをくれたから」

私が言うと、羽依ちゃんは驚いたように目を丸くした。



……速水くんが書き上げた最初のスピーチ原稿も、とても素晴らしい内容だった。

スピーチっていうか、論文?みたいな。

立派なことを、納得できる理由で諭してくるような、小難しい文章。

速水くんらしいなぁ、と思う一方で。

この素晴らしすぎるスピーチを速水くんが読んだら、とも考えた。