「ありがとう、羽依ちゃん。……速水くんのスピーチ、どうだった?」
私が訊くと、羽依ちゃんは「びっくりしたよ」とさっきの言葉を繰り返した。
羽依ちゃんは本気で驚いたような顔をしているから、本当の本当に、速水くんのスピーチはそれだけすごかったということなんだと思う。
「だって、速水くんが話し出した瞬間、空気が変わったよね!?
速水くん、今までは書記だったし、そんなに目立ってみんなの前で話す機会もなかったから気付かなかったけど……、本気になったらあんなにオーラがある人だったんだって、びっくりしちゃった」
まさに私と同じことを感じていた羽依ちゃん。
ということは、きっと私たちの他にも同じように感じていた人、いるよね。
私の贔屓目なんかじゃなく、今日の速水くんは本当にすごかったことが分かって、嬉しくなる。
スピーチをする速水くんから目を離すことなんてできないくらい、みんなの視線を惹きつけていた。

