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「お疲れ様~!びっくりしたよ、速水くんのスピーチ!」
教室に戻ると、興奮したような羽依ちゃんが駆け寄ってきてくれた。
教室にはすでに投票を終えたほとんどの生徒が体育館から帰ってきていて、みんな、終わったばかりの選挙の話をしている。
その賑やかなざわめきが速水くんの味方なのか、須谷くんの味方なのか。
どちらなのかは分からなかったけど、スピーチにも、スピーチの後の生徒の反応にも確かな手ごたえを感じていた私は、不安に押しつぶされそうになることもなく、羽依ちゃんに向かってにっこりと笑ってみせる。
「でしょ?速水くん、すごいでしょ!?」
「速水くんもすごいけど、明李もすごかったよ!カッコよかったじゃん!」
まるで愛犬を褒めるようにわしわしと私の頭を撫でてくれた羽依ちゃんに、私は嬉しくなってギュッと抱きついた。
「羽依ちゃんありがと~!」
「よーしよしよし!」
本気で飼い主みたいになってきた羽依ちゃんに思う存分褒めてもらって、ようやく体を離すと、羽依ちゃんはもう一度「本当におつかれさま」と微笑んでくれた。
きっと羽依ちゃんは、心から私のことを心配してくれていたんだろうな、って思う。
人前に立つことが苦手な私のことを誰よりも知ってくれているんだもん。

