好きになっちゃダメなのに。


嘘を吐くのは苦手。

それでもなんとか、逸らしてしまいそうになる視線を頑張って速水くんから逸らさずに言った。


なのに。

「嘘ついてるの、バレバレなんだけど」

ため息交じりにあっさりそう言い放たれて、私は目を丸くした。


どうして分かるの!?



私の反応は、速水くんの予想を確信にしたらしい。


「何、言われた?」

さっきよりも強い口調で、速水くんがそう言う。


……どうしよう。

賭けの話なんてしたところで、速水くんにとって何の得にもならない。

ただでさえ志賀先輩と比べられて足手まといになっているのに、これ以上速水くんの負担になりたくない。

まぁ、そもそも速水くんは私の恋愛事になんて興味ないだろうけど。


「……」

ああ、でも、そっか。

考えてみたら、賭けに負けたとしても速水くんには何の害もないよね。

それなら隠し事をしてぎくしゃくするよりは、言ってしまった方がいい?

きっと、なんだそんなこと?なんて。

またいつもと同じ、呆れたような顔で、笑ってくれる。