好きになっちゃダメなのに。






「どこまで買いに行ってたの?」

音楽準備室に戻ると、呆れたような速水くんの言葉に出迎えられた。

暗に遅いと怒られているわけだけど、今の私はそれどころじゃない。


ドン、とぬるくなってしまったしまった缶コーヒーを速水くんの机に置いて、席に着く。


「速水くん、絶対勝とうね」

乱雑に紙パックにストローを刺して、勢いよくオレンジジュースを飲み、そう宣言した私に速水くんは怪訝そうな顔を向けた。


「いきなり、何?」


カコッと小気味の良い音を立てて缶を開けながら、速水くんはそう聞いてくる。


「生徒会長になるべきなのは速水くんだよ、絶対っ!須谷くんなんかに絶対負けない!!」


「いや、あんた本当にどうしたの?」

速水くんはそう言いつつ眉をひそめて、何か異質なものでも見るような目で私を見てくる。


「ちょっと、おかしな人を見るような目で見ないでよ」

「いや、今の晴山さん、どこからどう見てもおかしいでしょ。……何、もしかして須谷に何か言われた?」


缶コーヒーに口をつけ一口飲んだ後、冷静な声でそう言った速水くん。