好きになっちゃダメなのに。


須谷くんのこと、いい人だと思っていたのに。

優しくて、明るくて。

目立たない私のことも知っていてくれて、仲良くなりたかった、って言ってもらえたの、嬉しかったのに。



……志賀先輩は、須谷くんにああいう一面があることを知っているのかな。

知っていながら、速水くんよりあの人の味方をしてるの?

だとしたら。

私、志賀先輩のことを少し軽蔑してしまうかもしれない。

あんな、選挙の相手を見下すような人。

あんな、恋愛を賭けの対象にするような人。

最低だよ。



あんな人が生徒会長になるなんて絶対嫌。

あんな人に速水くんが負けるなんて、絶対嫌だ。



「……っ、絶対負けない!!」


思わず声になった決意を胸に、私は音楽準備室に向けて駆け出した。