好きになっちゃダメなのに。


「……嫌だよ、そんなの。私、そういうことはしたくない」


至近距離で見つめられ、なんだか断りにくい空気だったけど、私はなんとかそう答えた。

すると、須谷くんは少しだけ、首を傾げる。


「ふぅん。ホントは俺に勝つ自信、ないんだ?」

「……はい!?」


どうしてそうなるの!?

私が言いたいのは、そういうことじゃなくて……っ!


ああ、もう!
いつだったか、速水くんにも語彙力のなさをバカにされたけど。

私って本当に説明下手だったんだ。

どんどん私の予想とは違う方向に話が転がっていく。


「私はそういうことを言ってるんじゃなくてっ」

「だって、結局は速水が勝てばいいだけの話だろ?断らなくたって、晴山さんの言うとおり速水が勝つなら、何も問題ないじゃん」


私の言葉を遮ってサラッとそう言った須谷くんに、私は何も言い返すことができなかった。


「~~~っ」

言葉を詰まらせた私に、須谷くんはにっこり笑う。