好きになっちゃダメなのに。


付き合……。

え!?


「な、何言ってるの?」


付き合うって。

彼氏彼女になる、ってこと……、だよね?


いやいや、意味が分かんないよ。

人気者で、女の子にもモテモテに違いない須谷くんが、どうして私なんかを彼女にしようとするの?

え、私、またからかわれてる?


「こんなときまで冗談言うなんてひどい。私は真剣に」

「俺だって真剣だよ」


私の言葉を遮った須谷くんの声の強さに驚いて、私は目を見開いた。


真剣、って。

本当に、選挙で須谷くんが勝ったら私のことを彼女にするつもりなの?


え、でも。

恋人って、勝ち負けで決めるもの?


────ふいに脳裏に浮かんだのは、速水くんが志賀先輩を見つめるときの切なげな顔だった。


……うん、やっぱり違うよね。

速水くんがあんなに真剣に向き合っているものを、私が軽んじていいわけない。


こんなの、間違ってる。