好きになっちゃダメなのに。


「明李。……無理はしないでね」


心配そうにそう言った羽依ちゃんに、私はニコッと笑って見せた。


「うん、ありがとう、羽依ちゃん」



大丈夫。

志賀先輩に対抗できるくらい私が立派になるにはものすごく努力と時間が必要な気がするけど。

でも、速水くんに対するみんなの印象を変えるのは、そんなに難しくないんじゃないかなって思う。


だって、私も少し前まで速水くんのこと、野球部の人たちと同じように見えていた。

それって、きっと速水くんがいろいろ出来すぎるせい。

大人に見えるせい。

そのせいで上から目線とか、そんなふうに想われちゃうんだと思う。


だけど私、一緒にいたらわかったの。

速水くんも完璧な人なんかじゃなくて。

悩んだりもするし、苦手なことだってあるし、落ち込んだりもする。


だから、皆にちゃんと速水くんのことを知ってもらえたら。

遠巻きじゃなく、等身大な速水くんのことを知ってもらえたら。

きっと速水くんのことを応援してくれる人、増えると思うんだ。