好きになっちゃダメなのに。


須谷、って、須谷要くん!?


と、いうことは。

この人が、速水くんと生徒会長の座を争う人なんだ……!



驚いて目を見開いた顔をした私を見て、須谷くんは苦笑を零す。

ホントに知らなかったんだ、と須谷くんの呟きを聞いて、私はなんだか申し訳なくなってしまった。

さっきまでは、速水くんくらい誰もが知ってる有名人、なんてそうそういるはずない、って思っていたけど。


……うん、私が間違っていたみたい。

こんなにカッコいい人、絶対みんな知ってる。

思わずそう思ってしまうくらい、須谷くんはイケメンオーラに溢れていた。



「ごめんなさい!私、本当に交友関係が狭くて、同じ学年でも知らない人ばかりで……!」


思わず言い訳を口にしたら、須谷くんはニコッと笑った。


「いいよ、謝らなくて。さっきも言ったけど、俺たち話したことなかったんだし、知らなくても無理ないって」


さっぱりとした口調でそう言った須谷くん。

その優しさに、ジーンとしてしまった。

本当、我ながら自分の情報収集能力の低さに呆れちゃうよ。

こんなに優しくてカッコいい人のこと、知らなかったなんて!