好きになっちゃダメなのに。



「そういえば、もう一人の会長立候補の人、来てなかったね」

下駄箱で靴をはきかえながら、ふとそう思って口にすると、速水くんも「そういえば」と頷いた。

「準備、間に合わなかったのかなー……、きゃっ!?」

先に上履きに履き替えて私を待っていてくれていた速水くんのところに歩きだして、すぐ。

急に、後ろから腕を引かれた。

強い力に抗えず、私の身体は後ろに倒れ、やがてポス、と何かに背中が着地した。


「!?」

何が起きたのか分からず動けないでいると、前にいる速水くんも驚いたような顔をしていた。


「……この子、速水の推薦人?」

すぐ後ろから聞こえてきた低めの声は、男子のもの。

そしてその言葉は私ではなく、速水くんに向けられていることを、いつにも増して動きが鈍くなっている頭でもなんとか理解できた。