好きになっちゃダメなのに。


「まぁ、今はちょうど引き継ぎの時期だから、色々立て込んでるんだよ。これでも俺は早く帰れてる方」

「そっかぁ。もうすぐ生徒会の役員選挙だもんね」


きっと、他の高校よりは遅めの代替わり。

私の高校は、毎年11月末に新たな生徒会役員を決める選挙がある。

今年度の1年生の生徒会役員選挙は入学したての4月にあるけれど、生徒会長はじめ来年度の生徒会役員を決める大きな選挙は、この時期だ。

たぶん夏から秋にかけて、文化祭やら体育祭やらの学校行事が集中しているから、それが終わってから、という意味での引退のタイミングなのだと思う。


「3年生が抜けたら、寂しくなるね」

誕生日会で盛り上がっていた先輩たちの姿を思い出して、思わずそう呟いた。


「あー、まぁ、そうだろうね。俺も一緒に抜けるからあんまり関係ないけど」


大したことじゃないように、さらりとそんなことを言った速水くんに、私はしばし、速水くんの言葉が理解できなくて、眉をひそめてしまった。


……一緒に抜ける?


それって、3年生が生徒会を引退するのと一緒に、速水くんも生徒会をやめるっていうこと!?


「……えぇっ!?」


どうして!?

速水くん、今年は生徒会に立候補しないの!?


1、2年生で生徒会役員だった人は、そのままずっと続けるのが当たり前なのかと思っていた。