好きになっちゃダメなのに。


『1時間もあれば終わると思うけど。何の用』

『じゃあ昇降口で待ってるね』


何の用、という問いには、なんだか良い答えが見つからなかったから、スルーしちゃった。

お菓子、喜んでくれるかな。

少しでも元気になってくれたらいいな。


……速水くんは、気にしない、なんて言っていたけど。

誕生日会の帰り道、隣を歩く速水くんは、やっぱりどこか悲しそうに見えたから。


なんて、そんなことを考えているうちに襲ってきた眠気に、どうやら私は抗いきれなかったみたい。

ちょっと寝ちゃってたよ。



「生徒会、お疲れさま!すごいね、毎日こんなに遅くまでやってるの?」


速水くんが下駄箱から靴を出して履き替えているのを見て、私も慌てて上履きを下駄箱につっこんで、ローファーに足を突っ込む。

そのまま、速水くんと並んで外に出ると、やっぱりもう夜だ。

ひゅん、と吹きつけてきた秋の風が、とても冷たい。