好きになっちゃダメなのに。


「あ、おまえ、信じてねーな?これでもバリバリ働いてたんだぞ」

歯を見せて笑いながら、西城に向かって言った谷岡さん。

そんな谷岡さんのセリフに、3年生メンバーにはドッと笑いが起こる。


「バリバリ働く龍先輩、見てみたかったです」

「先輩に押し付けられ……、いやお願いされた仕事のせいで、俺ほとんど土日も生徒会漬けだったんすけど」

「……まぁ、龍也はイベントのときにしか働いてなかったわよね」


先輩達は、自分より2つも年上の谷岡さんに容赦もなく言う。


「……お前ら、少しは先輩を立てろよ」


がくっ、とわざとらしく肩を落とした谷岡さん。


「はは、いいんですよ、龍先輩は本番でガツンと決めてくれれば、それで!イベントのときの龍先輩はカッコよすぎですもん」

「そうそう。体育祭のときの代表応援とかさ、俺鳥肌立ったの覚えてる」

「会長が、どんなに断られても龍先輩を副会長にしたがるの、わかるなって思ってました」


なんだかんだで谷岡さんのことを好いているらしい先輩方に、なんとなく見守る空気でいた1、2年生もだんだんと谷岡さんのほうに近づいて挨拶するようになっていた。