好きになっちゃダメなのに。


驚いて振り向くと、そこにいたのは、陽。


「……あれ。陽、さっきまで隣にいなかった?」

庭の方から人の声がすると気付いたのは陽で、そこから一緒にここまで向かったつもりだったんだけど。

陽が俺より遅れて登場する理由がわからない。


「いたよ!でも私、玄関にあったテキトーなサンダルで来ちゃったから、途中で脱げちゃったの!
そのときに私、待って、って言ったのに。
遥斗、全然聞こえてなかったみたいで、ひとりでズンズン先に行くから驚いたよ!」


もう、と少し怒ったように言った陽は、更に何か言葉を続けようとしていたようだったけれど。

「え」

陽の視線が、前にいる晴山さんと見知らぬ男を捉えた瞬間、驚いたように目を瞠って、

「龍也(りゅうや)!?」

と呼んだ。


「おー、ヒナ」

どちらかというと強面な男は、陽の名前を呼んでにこやかに笑った。

そんな男のところに駆け寄って行った陽は、なんだか、嬉しそうで。


……どうやら、晴山さんの隣にいる男の名前は龍也というらしい。

一瞬不法侵入者かとも思ったけど、どうやら陽とは知らない仲ではないようだし、むしろ親密な仲に見えた。


「ふたりとも、どうしてこんなところにいるの!?」