好きになっちゃダメなのに。


「速水くん!どうしてここに!?」

驚いた拍子に、バッ、と勢いよくベンチから立ちあがった晴山さん。

その勢いそのままに、俺の方に駆け寄ろうとしたように見えたけれど、彼女の身体とは逆向きの力によって引き止められる。


「……晴山さんが急にいなくなるから、迷子にでもなってるのかと思って探しに来たんだけど」


思わず言葉の前に躊躇ってしまったのは、晴山さんを引き止めた相手の手がしっかりと彼女の手を掴んでいることに気が付いたから。


────晴山さんの手を掴んだ、がっしりとした手。

その手から顔へ、視線を辿らせる。


見たことがない男だった。

俺よりも、おそらく年上。

というか、高校生じゃないような気がする。


焼けた肌に、筋肉質な身体。

つりがちの眉。

意外なほど綺麗な線を描く二重の瞳。


……誰?


そう言おうとした瞬間、後ろからガシッ、と肩を掴まれた。