【短編】失う度に美しくなる俺の愛子


大学卒業してそれぞれ職に着いた後、今度は愛子の父親を殺した。

弟と同じ殺害方法だと犯人がバレる可能性があるから、車の通りが多い交差点の中に押し出して、轢き殺した。

そして愛子はまた美しくなり、俺と愛子は体を重ねた。


同居した後は母親を通り魔に見せかけて刺し殺した。

愛子はどんどんと美しくなり、俺の愛子への愛情は増していった。


同居するようになった頃、愛子は俺の子を妊娠した。

ちょっとそこからは話し難いけど、愛子の妊娠を聞いて俺は大いに喜んだ。

俺と愛子の子供が出来るからではない。

子供を殺す事で愛子の悲しみが欲しかったからだ。


俺はそれから間もなく愛子と婚約した。

いずれは結婚しようと思っていたから、このタイミングしか無いと思った。

俺は結婚と挙式は出産後にしようという事を提案した。

何故ならば、愛子は子供を流すからだ。


俺は腹の子供だけが死ぬタイミングを見計らって、愛子を低い階段からバレないように落とした。

計画通り愛子は流産し、愛子はすごく美しくなった。

俺は愛子の入院中ほぼ毎日見舞いに来た。

愛する家族も子供も亡くした愛子の美しさはどこか神聖なものを感じた。

退院した後も愛子は美しかった。

でももっと美しくなれるんじゃないかと、俺は考えた。