【短編】失う度に美しくなる俺の愛子


女を振って美しくしてもまた醜くなる。

なかなか女の身の回りの人は死なない。


そこがつまらなくなり、俺は女と付き合うのを辞めた。


大学に進学し、大学2年の秋。

俺は構内で何かを探す愛子を見かけた。

愛子はその事を覚えているかな。

愛子は元から美しかった。

「無くなっちゃったかな」と呟きながら落ち葉の山をほうき片手に探し物をする愛子の不安そうな顔が更に美しさを引き立たせていた。

俺は一瞬で愛子に心を奪われた。


「どうしました」と聞くと「彼氏からもらったプレゼントを落としちゃって」と涙が出そうな声で言う愛子。

クラクラするくらい可愛かった。