「圭ちゃん…こんな平凡な私で本当にいいの?」嬉しいのに信じていいのか分からない。

「咲が可哀想だな…」

なんだ…

やっぱり同情してただけなんだ…

涙が零れそうなのをグッと堪えて圭ちゃんの話しに耳を傾ける。

「咲は自己評価が低すぎる、だから咲が可哀想だ…

咲が最も自分を認めていないんだからな!

過去に辛い思いをしたのも、咲のコンプレックスも理解してる

容姿はユキやアキのような華やかさは無いかも知れない

だけど皆が皆…華やかな容姿の人に魅かれる訳じゃない。

咲の穏やかで温かな雰囲気に癒され、魅力を感じているのは俺だけではない筈だよ。

『仕事だから愛想良くしてるだけ』って咲は言うけど…

振りだけで騙される程、洞察力の足りない人ばかりじゃない

取引先の人が咲に好意を寄せているのは外面だけを見ての事だとは思えない

だからこそ俺は余計に心配なんだよ」

怒られている筈なのに、圭ちゃんの言葉に嬉し涙が後から後から零れて落ちる

もう私の顔はグチャグチャだ!

「俺が咲のどこが一番好きか分かるか?」

そこは全く分かりません…声に出せないから頭をブンブン横に振る

「咲の笑顔だよ…泣き顔も結構そそられるけどなぁー」