「咲の事だから『彼が居るから行けません』とか嘘も付けないんだろう?

とにかく…上司にちゃんと相談しとけ、問題が起こる前にちゃんと頼れる人に話を聞いて貰えよ

担当替えも念頭に置いてしっかり根回しもしてさ、先方担当者も味方につけろ…

それでもしつこく誘いかけてくるようなら、俺を咲の彼氏だって紹介していいよ…

直接会って俺が話しを付けてやるから咲は何も心配しなくても大丈夫だからな!!」

(圭ちゃんは私に怒っていた訳じゃなかったんだぁー)

私の話しを親身になって聞いてくれたんだね…

圭ちゃんの気持ちはとても嬉しいけれど…

恋人の振りまでして貰うのは気が引ける、勘違いして後から余計に辛くなりそうだから断ろう

「…ありがとう、圭ちゃんの気持ちは凄く嬉しい…でも恋人の振りまでして貰うのは悪いから…自分でちゃんとお断りするから大丈夫だよ!

たとえ振りだけにしても圭ちゃんの彼女からしたら気分が良くないはずだから…」

私はぎこちなく見えないように注意しながら微笑んでみる。