空と彼と私

征司が居なくなった図書室に差し込む西日が眩しくなった頃、学校を出た。


すでに、生徒の大半は帰っていて、ほとんど人目につくことはなかった。


明日から、また、噂に振り回されるのかと思うと、ウンザリとするが、きっと征司も同じ。


いつも、征司について、私達があれこれと噂をしているのと同じだと思うと、顔がニヤけてくるのだから、末期症状かもしれない。


少しだけ、征司の気持ちがわかった気分になるのだから、図々しいにも程がある。


帰り道、少し遠回りになるが、あの土手へと続く道を通って帰宅した。


あれから数日たった今も、征司は、教室に来ていない。


学校に来ているかさえわからず、相変わらず噂だけが校内を一人歩きしている。


その中に、自分も出てくるという不本意な噂もあるけれど、あれ以来、気にすることもなくなった。