空と彼と私

「悪い。麻衣、またな」


電話が終わると、征司は私を残してさっさと去ろうとする。


唯一、嬉しいのは、征司の綺麗な手で頭を撫でられたこと。


でも、それも、一瞬で、相当慌てているらしい征司。


そんな征司に向かって私は、少し大きな声を出した。


「待って!」


征司の去ろうとしていた背中が振り返り見えなくなった。


そのかわりに見えたのは、さっきまでとは違う冷眼の征司。


こういう時に、引き止める女がウザいことくらい知っている。


だけど、どうしても、壊れそうな征司が心配だった私は、駆け寄り、征司の手にブレスレットを無理矢理はめた。


女性サイズだったからどうかと思ったけど、ギリギリ嵌まった。


「パワーストーン。征司を守ってくれるから持っていって」