空と彼と私

今一度、二人の会話を思い出して、ため息をついた。


征司が女の子の名前を呼ぶのは、私だけと思っていた。


征司が親しくしている女の子なんていないと思っていた。


自分だけ特別と思っていた。


それが、間違いだと気づくと、涙がこぼれ落ちそうになる。


あまりにも、自惚れていた自分の馬鹿さ加減に、征司に好きな人がいてもおかしくないという現実にも。


そんな時、トントンと肩を叩かれた。


征司……まだ居たんだ。


どうしよう?

話を聞いていたのがバレちゃう。


寝たフリをしたかったのに、叩かれてビクッとなった私は、それすらも出来なくて、ゆっくりと顔をあげた。


「さっきぶり。麻衣、居たんだ」


狼狽する私に、いつも以上に明るい声の征司が怖い。